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2024


星空情報(11月) 星空情報【秋の夜空の1等星 フォーマルハウト】
うお座という星座は皆さんよくご存じかと思います。では「みなみのうお座」はどうでしょうか?今回紹介するのは、みなみのうお座にある1等星「フォーマルハウト」です。「フォーマルハウト」とはアラビア語で「魚の口」を意味し、みなみのうお座の口の位置に当たり、みずがめ座から流れ落ちる水を受け止める格好になっています。 この時季、南から東にかけて1等星はたった一つ。明るい星の少ない中、南の夜空に輝くフォーマルハウトは目を引く存在といえます。そしてフォーマルハウトのほぼ真上に土星が輝いています。
星空情報(10月) 星空情報【金星が見頃を迎えます】
「明けの明星」や「宵の明星」と呼ばれている金星が、夕方、目立つようになってきました。日の入り後30分、西南西の空約10度、かなり低い位置で、マイナス4等級と明るく輝いています。今月の6日には、金星のすぐ東側に三日月も並んで見えるようになります。
 この頃の金星を望遠鏡で見ると、この写真のように右側が膨らんで見えます。金星の右側少し手前から太陽の光を受けているので、その部分が明るく光って見えています。
  金星はこれから徐々に高度を上げていき、宵の明星として一層目立つようになっていきます。
  金星は大きさや質量、内部構造も地球とほぼ同じなので、兄弟星と呼ばれています。しかし、濃い硫酸の厚い雲で覆われているため、地表を見ることはできません。さらに表面の温度が常に470℃にも達するため、残念ながら私たちが住むにはあまり快適とは言えない環境です。
  天文館では昼の観望で金星を見ることができます。
星空情報(9月) 星空情報【見慣れた土星とは少し違う姿に】
毎年人気の土星が見られるようになってきました。もちろん肉眼でも見られます。一度その場所を覚えると、「あれが土星」と見分けることができるようになります。試しにやってみましょう。今月上旬、夜の8時頃、おおよそ南東の方角に体を向け、腕を伸ばして目の高さまで上げてください。そして握り拳をたてに2個分上に移動させると、明るい星が見つけられます。土星です。もちろん環は見えません。

望遠鏡で見ると上のような姿です。いつもと少し違うかな?と感じた方はすごい。そうです、環の見え方がいつもよりも平らです。土星は傾いたまま太陽の周りを回っているので、ちょうど真横に来た時、まるで環が消えたように見えるのです。 それが2025年。今年はその少し手前。

9月上旬、午後8時には天文館の望遠鏡で土星を見ることができます。

2025年の土星(イメージ)
星空情報(8月) 星空情報【流星群を見よう ペルセウス座流星群】
毎年お盆の頃話題となる天文現象にペルセウス座流星群があります。多くの流星が見られるので、3大流星群の一つに数えられています。 流星は、宇宙空間にある数ミリ程度の塵の粒が地球の大気に飛び込み、激しく摩擦を起こし、高温になって光って見える現象です。彗星はこのような塵を放出して動いているため、彗星の軌道上には塵が帯状に残ります。彗星の軌道と地球の軌道が交差しているところでは、塵がまとめて大気に飛び込んでくるのでたくさんの流星が出現するのです。それが流星群です。 天文館では今年も流星群観望会を実施します。芝生の広場にレジャーシート等を敷いて、そこに寝ころんで流星を探していただきます。その他にも望遠鏡での天体観望や、お子さん向けに望遠鏡の操作体験なども実施する予定です。どなたでも参加できます。ぜひご家族でご参加ください。

       観望会の様子(昨年)
星空情報(7月) 星空情報【見どころ満載 こと座】
この時季、夜8時頃東の空に夏の大三角を見つけることができます。夏の大三角を構成する星座で一番高い位置にあるのが“こと座”です。
小さな星座で、少し暗いところならすぐに見つかります。 こと座の中で一番明るく輝くのがベガ。七夕の織姫星です。地球が傾きながら自転しているため、約13,000年後には北極星として北を示します。 ベガを頂点にした三角形の左下は、ダブル・ダブルスター。肉眼では1つの星ですが、望遠鏡を使うと2つに見え、さらにそれぞれが2つの星からできている4重星です。
☆印のあたりにはM57リング星雲があります。
数千年前に最期を迎えた星の姿です。星から放出されたガスが球状に広がり、それが光を受けて明るく見えています。天文館の望遠鏡でご覧いただけます。
M57 リング星雲(天文館)
星空情報(6月) 【かんむり座を探してみよう】
この時季になると日没時刻が遅くなるので、星がよく見えるのは夜8時頃です。 その時刻、東の空を見上げてみると右のような美しい星の並びを見つけることができます。あまり明るい星はないのですが、7つの星がこじんまりと並んでいるので、比較的見つけやすい星座です。“かんむり座”と言います。


星座の形に線で結んでみると右のようになります。
神話では酒の神ディオニュソスが奥さんに贈った冠が星座になったとされています。7つの星の中で一番明るい星が2等星の“アルフェッカ”、別名“ゲンマ”とも言い、ラテン語で「宝石」を意味します。まさにこの星座にぴったりの名前です。 天文館のテラスからもよく見ることができます。
星空情報(5月) 【うしかい座の1等星 アルクトゥールス】
春の恒星の一つにアルクトゥールスがあります。うしかい座の1等星で、春の大三角を構成する星です。春の大三角のもう一つ、おとめ座のスピカと合わせて「夫婦星(めおとぼし)」と言われています。
夜空に輝く星を「恒星」と言います。昔、星はいつも同じ場所にあって動かないものと考えられていました。しかし、天文学が進み観測技術が発達するにつれ、それぞれの星には特有の動きがあることが分かってきました。「固有運動」と言います。

アルクトゥールスは固有運動が大きな星で、なんと秒速140㎞もの速さで動いています。それも夫婦星の相手、スピカの方に向かって動いていて、約5万年後にはスピカと隣り合って輝くと考えられています。
2つの星は、天文館の春の観望では必ず紹介しています。ぜひその色の美しさをご覧いただき、5万年後の姿を想像してください。
星空情報(4月) 【春の星座を探してみよう】

春の星座を探す手掛かりは柄杓形の北斗七星です。 柄の部分をそのまま伸ばすとうしかい座の1等星ア ルクトゥールスが、さらに伸ばすとおとめ座の1等 星スピカが見つかります。その西側にはしし座の2 等星デネボラがあり、これらを結ぶと春の大三角と なります。手掛かりとなった北斗七星はおおぐま座 のしっぽの部分に当たります。少し暖かくなってき た夜、空を眺めてみてください。
星空情報(3月)

【ISS国際宇宙ステーションを見上げてみよう】

夜空を見上げていると、動いていく光の点を見かけることがあります。点滅しながら移動するのは飛行機です。光の点よりも少し遅れて音が聞こえます。一方、点滅せずに同じ速さで移動し、ある地点ですっとその明かりが消えてしまうのがISSです。音もしません。サッカーグランドほどの大きさで、高度400㎞、約90分かけ地球を一周しています。 この研究施設では15か国の研究者達が、重力の影響が少ない環境の下、未来に向けた様々な実験や研究に取り組んでいます。日本の実験棟「きぼう」でも、現在古川聡さんが搭乗し活動しています。 インターネット等で調べてみると、ISSが私たちの頭上を通過する日時や経路などを詳しく知ことができます。ぜひ一度私たちの頭上を通過していくISSの姿をご覧になり、みんなで手を振って応援しましょう。

星空情報(2月)

【オリオン座の三つ星に注目】
冬の星座でよくご存じのオリオン座、真ん中に仲良く並んでいる3つの星が目印です。「三つ星」と呼ばれる星々です。夜8時、南の空にこの3つ星が並んでいます。右側から「ミンタカ」「アルニラム」「アルニタク」と名前がついています。東の地平から昇ってくるときや西の地平に沈んでいくとき、その先頭はいつもミンタカで、ほぼ真東から昇り真西に沈みます。真ん中のアルニラムは脈動(みゃくどう)変光星(へんこうせい)といって、明るさが変わる星です。明るさが変わるのは星が膨張したり収縮したりするためです。アルニタクは質量が太陽の30倍以上、半径が20倍以上もある巨星です。 3つの星は横一列に見えますが、地球からそれぞれの天体までの距離が違うので、実はばらばらに位置しています。最も遠いアルニラムまで1300光年(天文年鑑)。宇宙の広がりを感じさせる三つ星です。

星空情報(1月)

【地球に一番近い星 太陽を見よう】
私たちが住んで いる地球に一番近い星(恒星)それは太陽です。太陽までは約1億5千万㎞、光の速さで8分20秒かかります。今見えている光は8分20秒前の光です。直径が地球のおよそ109倍もあるガス球で、約46億年前に誕 生し、今後50億年くらい輝き続けるそうです。表面に黒点やプロミネンスなどが見られます。黒点は黒いシミのように、プロミネンスは表面から噴き出している炎のように見えます。どちらも地球を飲みこんでしまうほどの大きさです。 太陽からの影響が大きいので、日夜その活動を観測している研究機関があり、「宇宙天気予報」としてその情報が一般にも公開されています。恒星をこんな近くで見ることができるのは太陽だけです。ぜひ、天文館で太陽の姿をお楽しみください。天文館は昼間も開館しています。

星空情報(12月)

【たくさん見られるでしょう ふたご座流星群】
「ふたご座流星群」が、今月14日前後に見頃を迎えます。13日は新月となるのでその前後の日は月明かりを心配することなく、最高の条件で 流星群を楽しむことができます。流星群は、時々見られる流れ星とは少し違います。流れ星はいつ出会うか分かりませんが、流星群は毎年同じ頃に見ることができます。それは流星の元となるものが決まっているからです。 ふたご座流星群の元は「フェートン」と呼ばれる小惑星です。1.4年の周期で太陽の周りを細長く回り、太陽に近づくと軌道上にちりを残します。地球は毎年同じ軌道で太陽の周りを回っているので、毎年同じ頃そのちりと遭遇します。そのちりが地球の大気中に飛び込んでくるときに流星群となって私たちを楽しませてくれるのです。 天文館では15日に流星群観望会を実施します。ぜひたくさんの流星をお楽しみください。

星空情報(11月) 【今月が見頃となります 木星】
午後6時を過ぎた頃、東の空にひときわ明るい星 が目立つようになってきました。縞模様でよく知ら れる木星です。今月の3日に衝を迎えました。 「衝」とは、地球から見てその天体が太陽のちょ うど反対側に来ることを言います。つまり地球に一番近くに位置することになります。そのため見かけの大きさが大きいこと、明るく見えること、長い時間見ることができる等、天体を観望するには最適の状態となります。 条件が良ければ表面の赤褐色と白っぽい縞模様や、 350年以上消えずに見えている地球2~3個分もある巨大な渦巻き模様の「大赤(だいせき)班(はん)」、毎日位置を変えるガリレオ衛星も確認できます。  天文館では「木星や土星を見よう」「木星や土星を写真に撮ろう」というイベントを実施します。土星も見られます。木星と一緒に本物の姿を天文館でお楽しみください。
星空情報(10月) 【知っていますか?カシオペヤ座】
 夕方暗くなるのが早くなってくるこの季節、夜 7時頃、北東の空にWを縦に置いたような星の集まりを探すことができます。カシオペヤ座です。周りにあまり明るい星がないので比較的探しやすい星座です。この星座はその見え方から「山形星」や「錨星(いかりぼし)」等とも呼ばれています。カシオペヤ座は1年中北の空に見える周極星ですが、特にこの季節は見つけやすい位置にあり、さらにこの星座を手掛かりに北極星を探し出せることでよく知られています。

 今から約450年前の1572年、このカシオペヤ座で超新星爆発が起こり、肉眼でも確認できるほど明るくなったそうです。この現象をデンマークの天文学者ティコ・プラーエが詳しく観測し記録に残しました。「ティコの超新星」と呼ばれ、当時の天文学を大きく前進させるきっかけとなりました。
星空情報(9月) ★【いよいよ土星が見頃を迎えます】
夕方7時頃、東の空に明るい星が目立つようになってきました。環のある天体として人気の高い土星です。先月の27日に衝(しょう)を迎えたばかりで す。衝とは、天体が地球から見て太陽のちょうど反対側に来た時を指します。そのため、その頃の天体は地球との距離が近くなり、明るく、見かけの大きさも大きくなります。土星も0.4等と明るく、夕方 から明け方まで一晩中楽しむことができます。
さて、土星といえば見事な環が見られることで有名ですが、その環が次第に細くなってきています。原因は土星の傾きにあります。土星は少し傾いて公転しているため普段は環が見えますが、真横から見るときには薄い環がほとんど見えなくなってしまいます。今年の土星はまだ環を確認することができますが、2年後の2025年には“環が消えた”というときがありそうです。
天文館では、土星の観望は12月まで可能です。ぜひ天文館の望遠鏡で環の姿をご確認ください。
星空情報(8月) ★【8月31日は特別な満月です】
月の満ち欠けは約29.5日の周期。そのためほぼ1か月に1回は満月を見ることができます。しかし今月はちょっと違います。何と、今月は満月が2回あります。2日と31日です。
  2度目の満月を“ブルームーン”と言います。さらに今月2度目の満月は“スーパームーン”と言い、一年のうち地球に最も近い満月でもあります。
  月は地球の周りを回っていますが、正しく円を描いているのではなく、少し楕円軌道をしています。そのため、満月の大きさはその時々の地球からの距離によって異なります。今年一番遠い満月は2月6日の満月でした。
  距離の違いは見かけの大きさや明るさの違いを生みます。2月の満月と今月31日の満月を比較してみると、31日は直径が1.14倍大きく、明るさは1.3倍も明るくなります。
  次のブルームーンは2026年5月31日まで待たなければなりません。ぜひ天文館で今月の特別な満月をお楽しみください。
星空情報(7月) ★【遠くにある巨星 デネブ(はくちょう座)】
この時季、午後8時頃東の空に大きな三角形を形 づくる星が見られます。夏の大三角です。三角形を 構成するのは「ベガ」「アルタイル」「デネブ」で、 3つとも1等星です。写真を見ると上部左寄りにあ るのがベガ、右下がアルタイル、左下がデネブです。 3つとも同 じように明るく目立ちますが、太陽系からの距離を比べると、ベガ25光年、アルタイル17光年、デネブは何と3200光年と、飛びぬけて遠いところにあります。(2023年 天文年鑑より) これほど遠いところにあるのに他の1等星と同じ ように明るく見えるということは、それだけデネブが大きくて明るいということです。仮に他の星と同じくらいの距離にあったとすると、昼間でもはっきりと見えるくらいに明るいそうです。さらに、デネブが1日で放出するエネルギーは、太陽が140年かけて放出する量に等しいとも言われています。 天文館では夏の星座観望会を実施しこれらの星を観望します。ぜひおいでください。
星空情報(6月) ★【ヘルクレス座の星の大集団 M13】
5月下旬から6 月にかけ日没後の東の空に昇ってくる星座に「ヘルクレス座」という星座があります。ヘルクレスは神話では、人食いライオンや怪物ヒラを退治した英雄です。そのヘルクレス座にある M13は、50万個もの星がボールのような形に集まっていることから球状星団と言います。
天文館の大きな望遠鏡をこの天体に向けると、ま ず白っぽい光の粒の集まりがぼんやりと浮かび上がります。しばらく目を凝らしていると、ぽつぽつとしたまばらな粒が、中心に行くに従い密集していき、やがて白い光の塊となります。さらに目を凝らすと、オレンジや青の光も見えてきます。M13はこの時季の代表格です。
星空情報(5月)
★【春の星座 まず北斗七星を探そう
夜8時頃、北東の空に「北斗七星」が目立つようになりました。ひしゃくの形に似ているので“ひしゃく星”と呼ばれることもあります。四角い升の部分と、取っ手の柄の部分とから成り、升の端の2つの星を結ぶ直 線を5倍伸ばすと北極星にたどり着きます。    
一方、柄の部分をカーブを描きながら伸ばしていくと、オレンジ色に輝く星にたどり着きます。牛飼い座の1等星「アークトゥルス」です。さらに伸ばすと青白い1等星、おとめ座の「スピカ」にたどり着きます。このカーブを「春の大曲線」と言い、春の星座を探す手掛かりとなります。

天文館では春の星座観望会を実施します。アークトゥルスやスピカの他に、色の違う2重星や数十万個の星が集まる球状星団(M3)等をご覧いただきます。どうぞお気軽にお出で下さい。

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